“東京書籍”“育鵬社”教科書を徹底比較

「“東京書籍”“育鵬社”教科書を徹底比較」(http://www.tv-asahi.co.jp/dap/bangumi/hst/news/detail.php?news_id=38380)ということで、月曜日の報ステは教科書特集。以前に古舘さんがやろうといっていたものを本格的にやったものでしょう。すごく大きな大道具で、現代のニュースにはアミューズメントパーク的な要素が良い意味で混じっているのだなと感じました。






東京書籍にも貧困対策ではない、安倍政権が言うような積極的平和を載せた方が良い、と古舘さんは仰っていましたけど、これは歴史上で紛争のもとになってきた考えであり、平和の名に値しないので載せなくともよいと思います。政府の欺瞞のレトリックに引きずられることもありません。







原発についても育鵬社のものは「燃料のエネルギー効率が高い」という嘘が書かれているのもひどいところ。科学を何とも思っていないのではないでしょうか。

「CO2を排出しないことから」というのも嘘。もはや原子力ムラ中のど真ん中でさえ使用しない表現です。
排出しますし、非効率な石炭火力の割合から言っても日本の発電にCO2を削減する精神はなかったと結論できます。


古舘さんも当然突っ込んでいましたが「もしも事故が起これば重大な被害が予想されるため、開発の是非について世論が分かれています。」とのことですが、事故は予想ではなくすでに起こっており、妄想的な内容とすらいえます。

また、現在の反対派には発電にお金がかかるから、という理由で反対している人が相当の割合でいます。そうでない人も、もし大手メディアが報道するようになってその事実が広く知れ渡れば、そのように考える人が潜在的にものすごくたくさんいると考えられます。


エネルギー自給率に原発を含めること自体が欺瞞ですし、そこに伸長する再エネへの視座はありません。


「それだけの効率と規模を持つ発電方法はありません」というのも少なくとも効率については間違え。「年々増大する電気需要」という部分もダウト。

「ほかの自然エネルギーと補完し合いながらエネルギー政策を進めざるを得ません」というのも、原発なしで回っている今の需給状況を完全に無視しています。


他にも頭からしっぱまでウソだらけですが、まだ、核武装一点張りで推進を主張した方が、少なくとも本音的という意味ではウソが無いでしょう。それすら載っていないところが、文章全てを欺瞞の底に沈めているといえます。




加えて立憲主義も育鵬社版には載っていないということで、本当にとんでもない教科書だと思います。







育鵬社の教科書はかつての扶桑社版の教科書を髣髴とさせるもので(どちらもフジ・サンケイグループ)、それが5パーセントに迫るシェアを持ちつつあることに、社会の歴史修正主義的な右傾化を感じました。




あんまり言われませんけど、今までは東西冷戦という形で社会がブロック化されていたのが、それが溶けてしまって、その代わりとして今度は国という形でブロック化しようとしているのが、最近の各国の右傾化なのかなと感じます。

旧東側が経済成長を始めましたし、国境警備や労働者の流入のしかたなどは明らかに変わりましたからね。

日本でもアメリカでもEUでもどこでも、自由主義のある部分は実は冷戦が前提だったのかもしれませんね。



そういう流れの中で、日本の中では、それが歴史修正主義的な妄想ナショナリズムと結びついてしまっているといえるでしょう。



右傾化と冷戦を結び付ける論説はぐぐると結構あって、左が負けたから右が伸長しているんだというものすごく単純なものが多いですけど、それで社会民主主義的な在り方を否定するところまで行ってしまうのは、すごくあほな飛躍です。そのあほさが右傾化をもたらしているのではないでしょうか。

塩だけで食べてみたらおいしくなかったので料理に塩は入れないと言っているに等しいです。











大竹まことさんのラジオでは、谷口真由美さんの「殆どの人が集団的自衛権と集団安全保障の区別がついてない」というコメントなどを基に、集団的自衛権を集団安全保障と勘違いしている世論に警鐘を。

さらに踏み込んで、アメリカの戦争に付き合ったとして負けないのかという話や泥沼化の懸念を。例えばベトナム戦争があったら、直接兵を送り込むことになりますよね。

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