原発ホワイトアウト

積読していた「原発ホワイトアウト」を読了。まずは軽く感想を。

まず困ったのは、地の文の気持ち悪さで、まさに官僚の匿名ツイッターをみているかのよう。意図的に再現している(か筆者の地の部分が出ているかもしくはその中間な)のでしょうね。

本当に気持ち悪くて、やはりしかも馬鹿というのが適切でしょう。

あとは世界の狭さで、なにかものすごく息苦しいんですよね。これがムラかという感じです。視界が猛烈に狭い。

冒頭で驚いたのは、民主党政権と思われるものに、日銀が独立性を盾に意図的にサボタージュしている、という部分で、これは本当なんですかね。

経済を意図的に停滞させて、民主党政権の支持率を下げるのに一役買った、という話でしょう。

白川総裁がそういう人だとは思わないのですが。また、実は以前から金融緩和も結構やっていて、特段まずいことをしているようには感じなかったのですが。

最初に立ち読みした時にたまたま読んだのですが、官能小説っぽいところがあってびっくり。読者が読みやすいに工夫を凝らしているということでしょうか。

女性役の玉川京子さんという人は元民放の女性アナウンサーで記者で、今は再生可能エネルギーの財団の代表を務めているというので、ちょうどたまちゃんと玉川さんと飯田哲也さんを合成した感じでしょうか。

書中の玉川さんは、未来志向的な要素を一手に引き受けているようなキャラクターですが、それが女性で表されているというのは、著者にとってその方向性が魅力的に観えているということでしょう。

また往々にして、ハリウッドでは、女性キャラクターはハプニング的に扱われます。著者や経産省にとって、そういった方向性がハプニング的な域を抜け出して見えていないことも表しているように思います。

あと、一番の特徴だと思ったのは、財務省がほぼ出てこないこと。現在の一番の論点は東電の破綻処理であって、それで損するのは銀行であって、それを守っているのはずぶずぶの財務省である、という説が一般的です。他にも責任などを被りたくない人たちはいますが。

本来は、一連の電力改革はそれに付随するものという言い方も可能です。

そういえば、破綻処理自体もあんまり出てこなかったですよね。

核武装の話しも無し。筆者の周囲で全く出てこないということなのでしょう。著者がそもそも総研で、原発を何で続けるのか、と聞かれたときにも、なんでわかりきったことを聞くのか、というような感じの驚きを感じましたしね。

ただ、最初に建設したときはある程度あったと思うのですけどね。モンスターシステムが出来たころに原発の意味合いが変化したということでしょうか。また、核武装が論じられるとしたら、それは政界だろうという、場所の違いもあるのかもしれません。

アメリカの圧力についても無し。たぶん、これは本当にないんでしょうね?

読むときに、注意深く確認したのは、各人の行動原理の部分。すべてが金と権力で、軍部もびっくりの状態だといえます。

改善すべきは、まずはシステムの部分。あとは、仏教を普及させて、煩悩を滅するか大欲に昇華してもらうのが一番の対策だという結論に至りました。

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